根拠は何か、目的は何かを考える|公務員の仕事術
こんな話があります。公務員1年目で庶務担当していたAさんが、契約締結依頼を管財課に提出すると、「これでは受けられない」といわれてしまいました。もともと一者随意契約(随契)で行われていたため、その理由書も以前のものと同じように書き写していたにも関わらず「これでは受けられない」と言われたのです。原因は、契約手続きの見直しによって以前のままでは一者随契は難しくなっていたからです。このとき、作業手順ばかり意識していなければ、もしかしたら失敗しなかったかもしれません。そして、一者随契についての詳細や、今回の契約で一者随契が必要な理由と、どのように記述すべきかと理解していれば、失敗しなかったでしょう。「前例どおりにやっていたのに失敗した」というのは言い訳になりません。丁寧に仕事を進めたつもりでも、こういった結果になります。根拠と目的は見過ごされやすいため、しっかり意識することが重要になります。資料ひとつでも、使う場面や目的によって求められる精度は異なるでしょう。だからこそ、目的を確認するようにしてください。そうすれば仕事の焦点が明確になってくるはずです。
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目的意識が仕事を楽しくする
昔小さな町の広場で作業をしている2人のレンガ職人がいました。ある旅人がその町を訪れた際、その職人たちに出会い、そこで「何をしているのか」と尋ねると、1人目のレンガ職人はこう答えました。「見ての通りレンガを積んでいるんだよ」。2人目のレンガ職人は、「教会を作るためにレンガを積んでいるんだ。この教会は多くの信者の心の拠り所だから、良いものを作り信者に喜んでもらいたい」と答えました。その後2人目のレンガ職人は高い技術と知識で、その後現場監督を任されました。
仕事に対する目的意識について考えさせられる話です。これは私たちの仕事にもいえることでしょう。自身が目的としているのは、「レンガ」なのか「賃金」なのか、はたまた「大切な心の拠り所」なのか。2人のレンガ職人は、同じことをやっていても目的意識はそれぞれ異なります。このように、高い目的意識を持つことで仕事に対する考え方は変わってきます。ぜひ、入社したら早いうちに身につけてほしい習慣です。